2007年05月31日

5月の本読み

オンライン書店ビーケーワン:精霊の守り人 オンライン書店ビーケーワン:ぱんだだ! オンライン書店ビーケーワン:パンダ育児日記 オンライン書店ビーケーワン:モップの精は深夜に現れる オンライン書店ビーケーワン:大奥 1 オンライン書店ビーケーワン:執事の分際 オンライン書店ビーケーワン:ジェラールとジャック オンライン書店ビーケーワン:ソルフェージュ オンライン書店ビーケーワン:フラワー・オブ・ライフ(Wings comics) オンライン書店ビーケーワン:夢のような幸福 オンライン書店ビーケーワン:西洋骨董洋菓子店(Wings comics) オンライン書店ビーケーワン:ア・ハッピーファミリー オンライン書店ビーケーワン:幽霊人命救助隊 オンライン書店ビーケーワン:本当はちがうんだ日記 オンライン書店ビーケーワン:アルキメデスは手を汚さない オンライン書店ビーケーワン:闇の守り人 オンライン書店ビーケーワン:作家の手紙

『精霊の守り人』これぞ、探し求めていたファンタジー!ひっかからず、一気に読了。どっぷりと浸ることのできる豊かな世界観と、なにより人々が活き活きしている。30歳の女用心棒が主役というのがまたいい!

『ぱんだだ!』これと、↓の感想はこちらに→→→■■■
『パンダ育児日記』適当にページを開いては、パンダのかわいらしさにうっとり。あぁ、かわいいな〜♪

『モップの精は深夜に現れる』シリーズ2作目。さらっと楽しみつつも、会社の中にある人間関係にちょっとどんより。

『大奥』コミックの類は、際限がないので買うまいと思っているのに、最近また増殖中。しかも、こんなすごいものを見せられたおかげで、一気によしながふみ作品が繁殖してしまった。いや、とにかくすごい。ガツンとやられました。きれいな絵と、シンプルな線。そしてなにより物語と人物の奥行きに魅了される。早く続きが読みたくてしかたのない作品。
『執事の分際』作者買いしてしまった1冊。BLもので、なかなかに際どいというか、そのまんまのシーンもあるけれど、お話そのものもしっかりして○。
『ジェラールとジャック』本編もいいが、作品と作者の魅力をぴたりと文字に置き換えたような山本文子さんによる「解説」がまたよい。

『ソルフェージュ』短編集。冒頭の作品にある透明な恐怖感は初めての感覚。
『フラワー・オブ・ライフ』高校を舞台にした、青春もの。とはいえ、よしながふみだけに一筋縄ではいかない。ソフトなBL味と、美形なオタク青年などなど、ちょっと不思議な学園物。もう、大笑いしながら読みました。こちらも、続きがもっと見たいぞ。

『夢のような幸福』今月の三浦しをん作品は、これだけながら、彼女のエッセイを読むだけで、幸福の極み。
『西洋骨董洋菓子店』再放送していた同名ドラマをちらっと見たことがあるけれど、なんかまったく別物だったような気が?確かに、原作通りをドラマ化は難しいだろうな…。さまざまなエピソードが、ラストに向かってうねるような収束とはいかないところもあって、ちょっと肩すかしをくらったような気もするけれど、それも作者の意図の内かと思えてくる。その淡泊さが、意外な余韻となる。お話としては、魔性のゲイのくだりがおかしくて大好き。

『ア・ハッピーファミリー』題名とはうらはらに、アンハッピーなことが次々起こってゆくのに、やっぱりハッピーなのかなと思える空気に安心感を覚える。
『幽霊人命救助隊』出だしの勢いがいいだけに、途中が単調に思えて中だるみ感があるものの、人の生き死について考えさせられ、後を引く読後感。

『本当はちがうんだ日記』文字ひとつひとつ、文ひとくぎりずつを読むのがこんなに楽しいって、嬉しい。寝る前の布団の中で読むと、よさ加減ぐっと上昇。
『アルキメデスは手を汚さない』学生のころに一度読んだことがあるはず。中身は忘れていたけれど、タイトルはよく覚えている。今から30年以上も前の作品なので、時代の差を感じるところもあるけれど、総体的にはさして気にならない。一気に読まされた。

『闇の守り人』『精霊の守り人』の続編。バルサという女性の生い立ちが明らかになり、過去に対峙する物語は、幻想と強靱さと痛みを伴い、何歳であっても楽しめるつくりになっている。
『作家の手紙』編集者に借金を依頼するとか、ファンから長編原稿が送られてきたとき、隣の木が敷地にはみ出しているのを伝えるなんていう架空の場面設定がされた手紙に笑いました。
posted by あんく at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ○月の本読み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月28日

『打ちのめされるようなすごい本』

打ちのめされるようなすごい本
米原 万里著
文芸春秋 (2006.10)
通常2-3日以内に発送します。


 先年、亡くなられた米原万里さんの書評集。

 同じずつ時間を与えられていても、こうまで人によって読める量が違うということにまず驚かされます。しかも、著者が取り上げているものの多くは、ノンフィクション。しかもソ連時代の資料からひもとかれた新事実だとか、東欧の社会主義が云々かんぬんといった固い内容が主流。ロシア語通訳の第一人者とは、こんなに物知りでないと務まらないのか、それともこれほどの博覧強記(←なんどもこの言葉が出てくるのですが、まさにそれは著者にこそふさわしいのでは)であるからこそ、通訳者となりえるのか?
 そして、なにより目をむいたのが 「受験の丸暗記から解放された頃から速度は面白いほど伸び、ここ20年ほど一日平均七冊を維持してきた」という件です。確かに、1日6時間睡眠として、2時間余りで1冊読むくらいなので、不可能な数字ではないものの、そんなに長く本に集中できることがすごい!私自身、学生時代はそこそこ速く読める時期もありましたが、最近はすっかり失速中。一気に読了するような読み方よりも、20分ずつとか、30分ずつを読み足していくような感じがやっとだというのに……。いや、比べること自体が無謀とは承知していますが。
 これだけの本を読んでゆくには、それだけのスピード感が絶対条件なんでしょうね。
 書評のために、付箋をつけながら読むのだから、なおのこと、その大変さが伺えると同時に、それだけ多くをどんどん読みこなしてゆける著者が羨ましくもあります。

 とりあげられている本は、そのほとんどが未読。日ごろは絶対手にしないであろう分野、内容のものばかり。それなのに、この本を読み終わったころには、自分にも読めるような気分になっているのです。しかも、まるで昔から読んでみたかった作品ばかり並べられたような錯覚すら抱きます。

 書評にすっかり打ちのめされました。
posted by あんく at 22:56| Comment(0) | TrackBack(3) | 著者別 ま〜わ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月07日

映画『クレヨンしんちゃん 歌うケツだけ爆弾』

『クレヨンしんちゃん 歌うケツだけ爆弾』2007年・日本
 監督:ムトウユージ
 声:矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、こおろぎさとみ


 宇宙から落ちてきた爆弾が、ひょんなことから野原家の飼い犬であるシロのお尻にくっついてしまった。地球をも吹き飛ばしてしまうほどの威力を持つ爆弾をめぐり、国際宇宙研究センターと謎の集団がシロを連れ去ろうとやってくる。果たして、しんのすけはシロを守り抜くことができるのか!

 シロが活躍するお話は楽しいし、シロを守ろうとするしんちゃんは相変わらずかわいいし、ほろりとしたり、笑ったり楽しいには変わりないんですが、どうにも盛り上がりきらなかったなという気分がぬぐえません。
 シロのお尻にくっついた爆弾と歌の関係も、せっかくおもしろくなりそうなのに、あんまり触れられないままに終わってしまい、しかけが機能しきれずに終わったのがとっても残念。
 そういえば、劇場全体が大笑いするような場面がほとんどなかった。クレヨンしんちゃんを劇場で見るのは3本目ですが、前に見たときは、子どもたちが大笑いしていて、それにつられて大人も笑って、劇場中で声を上げて喜ぶなんてことがたびたびあったのに、今回はそれがなかったような気がします。

 そしてもう一つは疾走感かな?いつもの、クレヨンしんちゃん映画にある、スピード感たっぷりの追いかけっこが好きなので、それが少ない今作品はおとなしく思えたのかもしれません。
 でも、やっぱり来年もこの時期になると、クレしんを見たくなっちゃうんだろうな。

 これを見た日は、朝いちばん8時からの上映。モーニングショーは割り引きもあるしで、チケット売り場は長蛇の列でした。しかし、朝8時から『バベル』や『ハンニバル・ライジング』を見る人もかなりたくさんいらっしゃいました。人の好みはさまざまですが、朝からねぇ……。



posted by あんく at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月01日

『4月の本読み』

オンライン書店ビーケーワン:シャングリ・ラ オンライン書店ビーケーワン:極め道 オンライン書店ビーケーワン:秘密。 オンライン書店ビーケーワン:むかしのはなし オンライン書店ビーケーワン:からくりアンモラル オンライン書店ビーケーワン:しゃぼん オンライン書店ビーケーワン:向日葵の咲かない夏 オンライン書店ビーケーワン:青葉の頃は終わった オンライン書店ビーケーワン:クレオパトラの夢 オンライン書店ビーケーワン:いつも旅のなか オンライン書店ビーケーワン:にょっ記 オンライン書店ビーケーワン:天使はモップを持って オンライン書店ビーケーワン:k.m.p.の、チェンマイアパート日記。 オンライン書店ビーケーワン:まほろ駅前多田便利軒 オンライン書店ビーケーワン:十三歳の仲人 オンライン書店ビーケーワン:桃色トワイライト オンライン書店ビーケーワン:私の家は山の向こう オンライン書店ビーケーワン:聞き屋与平 オンライン書店ビーケーワン:10ドルだって大金だ オンライン書店ビーケーワン:秘密の花園 オンライン書店ビーケーワン:13階段

『シャングリ・ラ』炭素経済が支配する近未来の世界像は、さもありなんというふうでよく練られて、圧倒された。が、その世界が作られたいきさつが分かってゆく後半は失速気味かな?登場人物がだんだんゾンビめいてくるのも、ちょいと不気味。
『極め道』ひとこと、楽しい!4月も三浦しをん祭りは続きます。

『秘密 私と私のあいだの十二話』短編も短編。うんと短くて、ぐんぐん読める。こんなに少ない文字数でも、作家さんの個性が出るんだと分かる。
『むかしのはなし』ごく日常的な現代のお話と思わせて、実は、現実との微妙なずれを持つ違う世界のお話と分かる。そこはかとない、おかしみを抱えた人たちが魅力的。エッセイもいいが、こういう味わいもいい!

『からくりアンモラル』ちょっとエッチな短編がずらり。おもしろいけれど、こういうのは苦手だ。
『しゃぼん』これも、性を前面に出して扱うタイプのお話。一つ目の作品は挫折しそうになったけれど、あとの三作はあっという間に読了。性の向こうから透けて見えるものが切ない。

『向日葵の咲かない夏』夢と現実の境目が、読めば読むほど曖昧になってゆく。全部読み終えて、すべてが多感な少年の空想なのではとすら思う。味わったことのない、クラクラするような感覚が残る。
『青葉の頃は終わった』登場人物が、だれもかれも自意識過剰気味で、重い気分に……。題名はさわやかなんだけれど。

『クレオパトラの夢』初・恩田陸作品。さすがに人気の方だけあって、物語も文章も流れるようになめらか。もう1〜2作品読んでみたいような、そうでもないような。
『いつも旅のなか』人の旅のスタイルを疑似体験するのは楽しい。ましてや、自分が決してできないような形ならなおさら。やっぱり、旅はいいなと、空を見上げたくなる。

『にょっ記』出来事ではなく、言葉そのものの響きや、表現で笑ったというのは初めてかもしれない。とにかく、笑った、笑った!
『天使はモップを持って』ビルの清掃員の女の子が主人公というのが、まず面白い。ゴミを見れば、職場や人が分かるというのもいい。てきぱき掃除してゆく主人公が、かっこよく見える。

『k。m。p。のチェンマイアパート日記』k。m。p。待望の新刊!今度は、ホテルではなく、現地にアパートを借りて住んでしまうという旅の形。ちまっとしたイラストに、手書き文字が満載で、にんまりしながら読んで、チェンマイに滞在したような気分になる。
『まほろ駅前多田便利軒』作者の好きな世界を爆発させたような小説だと思った。便利屋の多田と、彼のもとにころがりこむ謎めいた男の物語は、ユーモアたっぷり。

『十三歳の仲人』平岩弓枝の、「御宿かわせみ」シリーズの最新文庫。どんどん大きくなる子どもたちに、親戚の子の成長でも見守るような気分になる。
『桃色トワイライト』なにも言うことなし。

『私の家は山の向こう』アジアの歌姫と呼ばれたテレサ・テンの伝記。感想はこちらに→→→■■■
『聞き屋与平』ただただ人の話を聞く、“聞き屋”という不思議な仕事をする与平。いつものように、市井の人の暮らしが丹念につづられて、ほんのり気分が温かくなる。

『10ドルだって大金だ』ジャック・リッチーの短編集。さくっと読んで、にやっとするにはうってつけ。
『秘密の花園』白黒つかない結末なのに、さほどもどかしい感じがしないところが不思議。女子校のまったくタイプの違う3人の、それぞれの心のうちにあるものは、どれも静かにたぎっている。ふと、“すさまじい”という形容を思い浮かべた。

『なまくら』地の底を這うような暮らしの中にある、一筋の光と、それを手にするさまを描いた短編集。若いということは、力強いものなのだなと思える。
『13階段』人を殺した後、仮出所をした青年。彼のもとに訪れた休職中の刑務官の頼みで、ある死刑囚の冤罪を晴らすという仕事を手伝うこととなる。死刑とはなんなのか、人が人を殺すこととはなんなのかを問う、骨太のミステリー。冤罪事件の解明と、謎を追う青年と刑務官の過去とが徐々に明らかになっていく過程は、心に石でも沈められたような重々しさがあるのに、完全にうちひしがれた気分にならないところに救いがある。作者の視線が、罪を犯した者、被害にあった者、さらに裁かれながら悔いることのない者にまで注がれているからかもしれない。
posted by あんく at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ○月の本読み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月29日

映画『バベル』

『バベル』2006年・アメリカ
 監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
 出演:ブラッド・ピッド、ケイト・ブランシェット、アドリアナ・バザーラ、役所広司、菊地凛子


 モロッコに暮らす羊飼いの一家がコヨーテ退治用にライフルを手に入れるところからお話が始まる。アメリカ、メキシコ、日本、そしてモロッコの4つの家族の物語が、遠く離れながらも同じ時間と、少しの結びつきをもって描かれる。

 それぞれの家族のつながり方に、ちょっと無理があるかなという気がなきにしもあらず。作りすぎず、もっと些細な関わり方にしてもよかったのかなと思ったところもあります。なんだかひっかかる。
 が、それでもそれぞれのエピソードのつながり方や、場面場面が切り替わってゆく流れは自然で、すんなりと物語に誘い込まれて、143分という長尺ながら心地よい気分で見終っただけに、もうちょっとで好きになれそうで、なれない、もったいない作品という気分です。

 日本の部分は、演じている人が(おそらく)みな日本人で、風景も東京であるだけに、彼らの行動の微妙な違和感が気になってしかたありませんでした。特に、高校生の女の子にいきなりキスされたり、あからさまな行動に出られたりしたときに見せた男の人の反応が、あまりにシリアスすぎてびっくり。驚きつつも、笑ってごまかすあたりが、ありそうな反応じゃないかと思うのですが。
 外国の人から見た日本人像なのか、それとも監督自身が表現したかったお話を日本編にあてはめただけなのか。

 もうひとつ気になったのが、アメリカ人夫妻と、彼らと同じツアーの参加者たち。不測の事態で混乱しているのは分かるとしても、モロッコの片田舎で見せた不遜にすら見える態度。一方的な要求のしかた。もしかしてこれは、アメリカを嫌いになるための映画なんじゃないかと思ったほどです。アメリカ人夫妻をつなぎとしてさらりと描くだけでよかったようにも思うし、せっかくブラッド・ピッドとケイト・ブランシェットというスター二人ならもっと違う役割があってもよかったはず。

 菊地凛子の存在感も印象的でしたが、いちばん目をひいたのは、暖かな眼差しと、穏やかな佇まいをみせるメキシコ人のベビーシッターを演じたアドリアナ・バザーラ。もう一度見るなら、メキシコ編部分だけをつなげて見てみたい気分です。

 
 それにしても、東京の夜景には圧倒されました。地方に住む身には、あれが同じ国の風景とはとても信じられません……
posted by あんく at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月14日

『ザ ジャパニーズ コミックペーパー』

ザジャパニーズコミックペーパー
吉橋 通夫作 / 高田 雄太絵
新日本出版社 (1995.2)
通常2-3日以内に発送します。


 明治のころ、まだ国会もなく、選挙もない時代。祇園の舞妓である小雪は、七条ステーションに向かう途中で天狗と名乗る男に助けられる。我楽多珍報(がらくたちんほう)という風刺新聞を発行している天狗が、行方知れずの兄と知り合いであると知った小雪は、この風変わりな男とかかわり始める。自由民権運動、女の生き方、そして一人の少女の成長の物語。

 ジュニア向け作品ではありますが、時代小説として楽しむのになんら支障はありません。切った張ったの大立ち回りはないものの、市井物が好きなので、夢中になって読み切りました。
 文字が大きく、難しい漢字があってもルビがふってあり、途中には風情ある挿し絵もあって、むしろ短編としてじっくり読むにはこういうのがいいんじゃないかと思うほどです。

 落ちぶれた士族出身で、両親もすでになく、兄は行方が知れず、あと数年すれば水揚げして芸妓にならなければならない。そんな現状にあって、人と出会い自分の行く先を見つめてゆく小雪の姿は、清々しいの言葉につきます。
 小雪と同年代の人が読むときには、自分の将来や今の姿を、その時代をすでに過ぎた者にはかつての自分や、そこにある感懐を、それぞれ重ね合わせて見るのだろうと思います。

 すべての人に明るい未来が開けているなんてことはないし、10代のころに思い描いていたのとはまったく違う面が、時間の中に見えてきた年齢になってはいますが、ここにある物語が絵空事のきれい事なんてものには見えない。むしろ、そういう時間があったことが誇らしく思えるようないいお話でした。

 著者の吉橋通夫、作者プロフィールを見ると、岡山県出身のようです。この本を知ったきっかけの金原瑞人、最近話題の『バッテリー』のあさのあつこ、重松清、岩井志麻子、岡山の方ががんばってらっしゃるように思うのは、お隣だからよけいにそう思うんでしょうか?

 
posted by あんく at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 著者別 ま〜わ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月11日

『彼女のこんだて帖』

彼女のこんだて帖
角田 光代著 / ベターホーム協会編集・料理
ベターホーム出版局 (2006.9)
通常24時間以内に発送します。


 角田光代はとっても好きな作家さんです。にもかかわらず、いつも申し訳ない気持ちでいます。というのも、彼女の小説よりもエッセイのほうがずっと、ずっと好きだからです。小説を書く人にとっては、とっても失礼なんじゃないかといつも思っているわけです。

 しかし、今回ばかりはそんな後ろめたさも感じませんでした。料理にまつわる短編15作。1つ目のお話に登場した人が、2つ目でメインになり、またそこに現れた人についてのお話が3つ目で語られる。食べ物や、料理を作ることでつながってゆくお話が多彩で、どんどん次が読みたくなって、一気に読み終えてしまったくらいですから。

 角田光代という作家さんは、ほんとうに食べることが好きなんでしょうね。食べる場面にしろ、料理を作る場面にしろ、どちらもがいつも丁寧に描いてあります。おまけに、どんな気分であっても、食べることが苦痛として登場しないし、おざなりにされていない。食べると元気が出てくる、作るとなにかを忘れて気持ちが晴れてゆく、そんなふうな描かれ方が多くてほっとします。
 読むと、お話に登場するものを食べたくなる以上に、なにか無性に料理をしたくなってくるんです。この本は、そんな欲求をしっかり満たすべく、レシピまで丁寧に紹介されているという優れもの。

 料理本としても、本棚に一冊おいておきたくなりました。
posted by あんく at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 著者別 あ〜か | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月10日

断腸の思い

 最近、自転車とドライヤーを買いました。
 どちらも、何度も買い換えようかなと思案して、実際にお店に行って眺めては帰ってくることの繰り返しで、最近まできてました。

 自転車のタイヤがもうだめになって、交換すると5000円近くかかると言われ、それこそ断腸の思いで処分することにしました。ブレーキの効きは悪いし、スタンドもすぐにゆるんで倒れそうになるし、がしがしペダルを踏むとチェーンが外れるしで、オンボロもいいところなんですが、まだ使えると思うと捨てるのもしのびなくてね。
 あんまりにもボロっちいおかげで、ここ6年ほどは駐輪場だろうが、自宅だろうが、スーパーだろうがどこでも施錠せず(←防犯上、ほんとうはいけないんですけどね……)にほっておいても、一度も盗まれることがなく、楽で重宝してました。
 ちなみに、途中で使ってない時期はあったものの、15年物でした。

 もっというなら、ドライヤーは平成元年から使っているもの。こちらは壊れたわけじゃないんですが、電気店のポイントがたまったので思い切って新調。
 今までのものと較べて、音は嘘のように静かなのに、パワーは格段にアップ。あっという間に髪が乾かせて、19年はやっぱり長いなと実感。また、20年くらい大事に使いたいと思います(?)
posted by あんく at 22:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月05日

3月の本読み

オンライン書店ビーケーワン:どろろ 1 オンライン書店ビーケーワン:シーセッド・ヒーセッド オンライン書店ビーケーワン:ドスコイ警備保障 オンライン書店ビーケーワン:にわか大根 オンライン書店ビーケーワン:セネシオ オンライン書店ビーケーワン:若かった日々 オンライン書店ビーケーワン:陽気なギャングが地球を回す オンライン書店ビーケーワン:二人道成寺 オンライン書店ビーケーワン:人のセックスを笑うな オンライン書店ビーケーワン:ウルティマ、ぼくに大地の教えを オンライン書店ビーケーワン:黄泉路の犬 オンライン書店ビーケーワン:愚者のエンドロール オンライン書店ビーケーワン:卒業

『どろろ』面白いな〜。前半の丁寧さに較べて、後半はかなり急ぎ足だったのは、連載の都合かなにかなんだろうか?
『シーセッド・ヒーセッド』シリーズものの第3作目と知らずに読んでも、十分楽しめた。主人公の暖かさがにじみでて、いい気分。
『ドスコイ警備保障』作り込まれた重厚さのようなものはないけれど、出てくる人がみんなおかしくて、いい人で、ほっとする。
『にわか大根』またしても、シリーズものの3作目から読んでしまったのに、やっぱり面白い。
『セネシオ』森福作品としては、ちょっと物足りない。主人公の意図するところが、最後まで分からなくて……
『若かった日々』ある女性の来し方をつづった連作短編。時間を短い断片できりとっているので、途中で果たしてこれがつながったお話なのか、独立した短編なのか分からなくなる。でも、その不思議な感覚がいやではない。
『陽気なギャングが地球を回す』相性が今ひとつなのに、なぜか伊坂作品を手にしてしまう……
『二人道成寺』歌舞伎の世界が舞台。妖艶さの中に、哀感が漂う。
『人のセックスを笑うな』よく分かりませんでした…以上。
『ウルティマ、ぼくに大地の教えを』アメリカ南部、少年が無垢でいられた最後の日々がつづられていく。時代を経て引き継がれてゆくものと、喪われるものとの二つが立ちはだかる中を生きていく少年が清らか。メキシコ系作家の小説だけに、アメリカの社会にはこんな一面があるんだと興味深かった。
『黄泉路の犬』愛らしい表紙や、軽いタッチとは裏腹に、なかなか複雑な気分になる題材だった。
『愚者のエンドロール』“古典部シリーズ”の2作目。お気に入りキャラに、もう少し活躍してほしかった。
『卒業』電車で読むには適さない一冊だと痛感。夢中になりすぎて一駅乗り過ごすし、花粉症のふりをして鼻をすすらなくちゃいけいないし……。
posted by あんく at 00:54| Comment(0) | TrackBack(1) | ○月の本読み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月29日

『盗神伝1 ハミアテスの約束』

盗神伝 1
盗神伝 1
posted with 簡単リンクくん at 2007. 3.29
メーガン・ウェイレン・ターナー作 / 金原 瑞人訳 / 宮坂 宏美訳
あかね書房 (2003.3)
通常24時間以内に発送します。


 いわゆる、YAといわれる分野の、冒険物とでもいうのでしょうか?図書館に行くと、中高生向けにぴったりのおもしろそうな本が山のように並んで、その種類も分野も実にさまざま。つくづく、読書好きとして今を過ごせる十代の若人たちが、羨ましい、いや妬ましくすらあります。

 と、恨み言を並べても仕方ないので、YAコーナー(←近所の図書館は、この分野に力を入れているらしく、こんな素敵なコーナーがあるのです)から、気恥ずかしさを精一杯押さえ込んでときどき本を借りてみます。
 そのうちの一冊がこの『盗神伝』。

 自分に盗めないものはないと豪語する少年ジェンは、捕らえられた牢からある日突然引き出される。そこで、ソウニス国の助言者メイガスから、自由とひきかえにあるものを盗むよう命じられる。少年ジェンとメイガス、そして二人の少年剣士と兵士の5人が目指すのは、伝説の石「ハミアテス」だった。果たしてジェンは石を盗み出すことができるのか……

 とわくわくするような冒険ファンタジー。確かに、楽しみました。おもしろかった!物語もおもしろいし、意外な展開が続く後半はどんどん読み進んで、驚かされて。
 でも、これで気づきました。自分は冒険ファンタジーを楽しむようにはできていないようです。面白いのにのりきれない。ぐんぐん引き込まれたいのに、もたもたとお話についていくので精一杯なんです。『指輪物語』も『ゲド戦記』も読んでみたし、和物ならどうだと荻原規子の勾玉シリーズも試しましたが、いまひとつしっくりこない……。

 ぴたっとパズルのピースがはまるような快感を、冒険ファンタジーで味わえるようになれたらどんなによかったか。あぁ、悔しい。
posted by あんく at 22:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 著者別 さ〜た | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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