2007年05月28日

『打ちのめされるようなすごい本』

打ちのめされるようなすごい本
米原 万里著
文芸春秋 (2006.10)
通常2-3日以内に発送します。


 先年、亡くなられた米原万里さんの書評集。

 同じずつ時間を与えられていても、こうまで人によって読める量が違うということにまず驚かされます。しかも、著者が取り上げているものの多くは、ノンフィクション。しかもソ連時代の資料からひもとかれた新事実だとか、東欧の社会主義が云々かんぬんといった固い内容が主流。ロシア語通訳の第一人者とは、こんなに物知りでないと務まらないのか、それともこれほどの博覧強記(←なんどもこの言葉が出てくるのですが、まさにそれは著者にこそふさわしいのでは)であるからこそ、通訳者となりえるのか?
 そして、なにより目をむいたのが 「受験の丸暗記から解放された頃から速度は面白いほど伸び、ここ20年ほど一日平均七冊を維持してきた」という件です。確かに、1日6時間睡眠として、2時間余りで1冊読むくらいなので、不可能な数字ではないものの、そんなに長く本に集中できることがすごい!私自身、学生時代はそこそこ速く読める時期もありましたが、最近はすっかり失速中。一気に読了するような読み方よりも、20分ずつとか、30分ずつを読み足していくような感じがやっとだというのに……。いや、比べること自体が無謀とは承知していますが。
 これだけの本を読んでゆくには、それだけのスピード感が絶対条件なんでしょうね。
 書評のために、付箋をつけながら読むのだから、なおのこと、その大変さが伺えると同時に、それだけ多くをどんどん読みこなしてゆける著者が羨ましくもあります。

 とりあげられている本は、そのほとんどが未読。日ごろは絶対手にしないであろう分野、内容のものばかり。それなのに、この本を読み終わったころには、自分にも読めるような気分になっているのです。しかも、まるで昔から読んでみたかった作品ばかり並べられたような錯覚すら抱きます。

 書評にすっかり打ちのめされました。
posted by あんく at 22:56| Comment(0) | TrackBack(3) | 著者別 ま〜わ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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米原万里 『打ちのめされるようなすごい本』 書評
Excerpt:                          2006年(昨年)5月25日に卵巣癌により56歳で亡くなったロシア語通訳者米原万里の遺著、書評集である。文藝春秋社、発行。週刊文春書評が、本書第一部3..
Weblog: 試稿錯誤
Tracked: 2007-06-02 12:20

真昼の星空 (中公文庫)
Excerpt: 1998年から2001年まで読売新聞の日曜版に連載していたもの。タイトルには、実際には存在しているのに目には見えないものを、見せてやりたい、という意味が込められている。そのタイトルどおり、世間一般とは..
Weblog: ノンフィクションのレス
Tracked: 2007-10-10 02:55

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Tracked: 2008-01-22 10:12
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