2007年05月31日

5月の本読み

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『精霊の守り人』これぞ、探し求めていたファンタジー!ひっかからず、一気に読了。どっぷりと浸ることのできる豊かな世界観と、なにより人々が活き活きしている。30歳の女用心棒が主役というのがまたいい!

『ぱんだだ!』これと、↓の感想はこちらに→→→■■■
『パンダ育児日記』適当にページを開いては、パンダのかわいらしさにうっとり。あぁ、かわいいな〜♪

『モップの精は深夜に現れる』シリーズ2作目。さらっと楽しみつつも、会社の中にある人間関係にちょっとどんより。

『大奥』コミックの類は、際限がないので買うまいと思っているのに、最近また増殖中。しかも、こんなすごいものを見せられたおかげで、一気によしながふみ作品が繁殖してしまった。いや、とにかくすごい。ガツンとやられました。きれいな絵と、シンプルな線。そしてなにより物語と人物の奥行きに魅了される。早く続きが読みたくてしかたのない作品。
『執事の分際』作者買いしてしまった1冊。BLもので、なかなかに際どいというか、そのまんまのシーンもあるけれど、お話そのものもしっかりして○。
『ジェラールとジャック』本編もいいが、作品と作者の魅力をぴたりと文字に置き換えたような山本文子さんによる「解説」がまたよい。

『ソルフェージュ』短編集。冒頭の作品にある透明な恐怖感は初めての感覚。
『フラワー・オブ・ライフ』高校を舞台にした、青春もの。とはいえ、よしながふみだけに一筋縄ではいかない。ソフトなBL味と、美形なオタク青年などなど、ちょっと不思議な学園物。もう、大笑いしながら読みました。こちらも、続きがもっと見たいぞ。

『夢のような幸福』今月の三浦しをん作品は、これだけながら、彼女のエッセイを読むだけで、幸福の極み。
『西洋骨董洋菓子店』再放送していた同名ドラマをちらっと見たことがあるけれど、なんかまったく別物だったような気が?確かに、原作通りをドラマ化は難しいだろうな…。さまざまなエピソードが、ラストに向かってうねるような収束とはいかないところもあって、ちょっと肩すかしをくらったような気もするけれど、それも作者の意図の内かと思えてくる。その淡泊さが、意外な余韻となる。お話としては、魔性のゲイのくだりがおかしくて大好き。

『ア・ハッピーファミリー』題名とはうらはらに、アンハッピーなことが次々起こってゆくのに、やっぱりハッピーなのかなと思える空気に安心感を覚える。
『幽霊人命救助隊』出だしの勢いがいいだけに、途中が単調に思えて中だるみ感があるものの、人の生き死について考えさせられ、後を引く読後感。

『本当はちがうんだ日記』文字ひとつひとつ、文ひとくぎりずつを読むのがこんなに楽しいって、嬉しい。寝る前の布団の中で読むと、よさ加減ぐっと上昇。
『アルキメデスは手を汚さない』学生のころに一度読んだことがあるはず。中身は忘れていたけれど、タイトルはよく覚えている。今から30年以上も前の作品なので、時代の差を感じるところもあるけれど、総体的にはさして気にならない。一気に読まされた。

『闇の守り人』『精霊の守り人』の続編。バルサという女性の生い立ちが明らかになり、過去に対峙する物語は、幻想と強靱さと痛みを伴い、何歳であっても楽しめるつくりになっている。
『作家の手紙』編集者に借金を依頼するとか、ファンから長編原稿が送られてきたとき、隣の木が敷地にはみ出しているのを伝えるなんていう架空の場面設定がされた手紙に笑いました。
posted by あんく at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ○月の本読み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月28日

『打ちのめされるようなすごい本』

打ちのめされるようなすごい本
米原 万里著
文芸春秋 (2006.10)
通常2-3日以内に発送します。


 先年、亡くなられた米原万里さんの書評集。

 同じずつ時間を与えられていても、こうまで人によって読める量が違うということにまず驚かされます。しかも、著者が取り上げているものの多くは、ノンフィクション。しかもソ連時代の資料からひもとかれた新事実だとか、東欧の社会主義が云々かんぬんといった固い内容が主流。ロシア語通訳の第一人者とは、こんなに物知りでないと務まらないのか、それともこれほどの博覧強記(←なんどもこの言葉が出てくるのですが、まさにそれは著者にこそふさわしいのでは)であるからこそ、通訳者となりえるのか?
 そして、なにより目をむいたのが 「受験の丸暗記から解放された頃から速度は面白いほど伸び、ここ20年ほど一日平均七冊を維持してきた」という件です。確かに、1日6時間睡眠として、2時間余りで1冊読むくらいなので、不可能な数字ではないものの、そんなに長く本に集中できることがすごい!私自身、学生時代はそこそこ速く読める時期もありましたが、最近はすっかり失速中。一気に読了するような読み方よりも、20分ずつとか、30分ずつを読み足していくような感じがやっとだというのに……。いや、比べること自体が無謀とは承知していますが。
 これだけの本を読んでゆくには、それだけのスピード感が絶対条件なんでしょうね。
 書評のために、付箋をつけながら読むのだから、なおのこと、その大変さが伺えると同時に、それだけ多くをどんどん読みこなしてゆける著者が羨ましくもあります。

 とりあげられている本は、そのほとんどが未読。日ごろは絶対手にしないであろう分野、内容のものばかり。それなのに、この本を読み終わったころには、自分にも読めるような気分になっているのです。しかも、まるで昔から読んでみたかった作品ばかり並べられたような錯覚すら抱きます。

 書評にすっかり打ちのめされました。
posted by あんく at 22:56| Comment(0) | TrackBack(3) | 著者別 ま〜わ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月07日

映画『クレヨンしんちゃん 歌うケツだけ爆弾』

『クレヨンしんちゃん 歌うケツだけ爆弾』2007年・日本
 監督:ムトウユージ
 声:矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、こおろぎさとみ


 宇宙から落ちてきた爆弾が、ひょんなことから野原家の飼い犬であるシロのお尻にくっついてしまった。地球をも吹き飛ばしてしまうほどの威力を持つ爆弾をめぐり、国際宇宙研究センターと謎の集団がシロを連れ去ろうとやってくる。果たして、しんのすけはシロを守り抜くことができるのか!

 シロが活躍するお話は楽しいし、シロを守ろうとするしんちゃんは相変わらずかわいいし、ほろりとしたり、笑ったり楽しいには変わりないんですが、どうにも盛り上がりきらなかったなという気分がぬぐえません。
 シロのお尻にくっついた爆弾と歌の関係も、せっかくおもしろくなりそうなのに、あんまり触れられないままに終わってしまい、しかけが機能しきれずに終わったのがとっても残念。
 そういえば、劇場全体が大笑いするような場面がほとんどなかった。クレヨンしんちゃんを劇場で見るのは3本目ですが、前に見たときは、子どもたちが大笑いしていて、それにつられて大人も笑って、劇場中で声を上げて喜ぶなんてことがたびたびあったのに、今回はそれがなかったような気がします。

 そしてもう一つは疾走感かな?いつもの、クレヨンしんちゃん映画にある、スピード感たっぷりの追いかけっこが好きなので、それが少ない今作品はおとなしく思えたのかもしれません。
 でも、やっぱり来年もこの時期になると、クレしんを見たくなっちゃうんだろうな。

 これを見た日は、朝いちばん8時からの上映。モーニングショーは割り引きもあるしで、チケット売り場は長蛇の列でした。しかし、朝8時から『バベル』や『ハンニバル・ライジング』を見る人もかなりたくさんいらっしゃいました。人の好みはさまざまですが、朝からねぇ……。



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2007年05月01日

『4月の本読み』

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『シャングリ・ラ』炭素経済が支配する近未来の世界像は、さもありなんというふうでよく練られて、圧倒された。が、その世界が作られたいきさつが分かってゆく後半は失速気味かな?登場人物がだんだんゾンビめいてくるのも、ちょいと不気味。
『極め道』ひとこと、楽しい!4月も三浦しをん祭りは続きます。

『秘密 私と私のあいだの十二話』短編も短編。うんと短くて、ぐんぐん読める。こんなに少ない文字数でも、作家さんの個性が出るんだと分かる。
『むかしのはなし』ごく日常的な現代のお話と思わせて、実は、現実との微妙なずれを持つ違う世界のお話と分かる。そこはかとない、おかしみを抱えた人たちが魅力的。エッセイもいいが、こういう味わいもいい!

『からくりアンモラル』ちょっとエッチな短編がずらり。おもしろいけれど、こういうのは苦手だ。
『しゃぼん』これも、性を前面に出して扱うタイプのお話。一つ目の作品は挫折しそうになったけれど、あとの三作はあっという間に読了。性の向こうから透けて見えるものが切ない。

『向日葵の咲かない夏』夢と現実の境目が、読めば読むほど曖昧になってゆく。全部読み終えて、すべてが多感な少年の空想なのではとすら思う。味わったことのない、クラクラするような感覚が残る。
『青葉の頃は終わった』登場人物が、だれもかれも自意識過剰気味で、重い気分に……。題名はさわやかなんだけれど。

『クレオパトラの夢』初・恩田陸作品。さすがに人気の方だけあって、物語も文章も流れるようになめらか。もう1〜2作品読んでみたいような、そうでもないような。
『いつも旅のなか』人の旅のスタイルを疑似体験するのは楽しい。ましてや、自分が決してできないような形ならなおさら。やっぱり、旅はいいなと、空を見上げたくなる。

『にょっ記』出来事ではなく、言葉そのものの響きや、表現で笑ったというのは初めてかもしれない。とにかく、笑った、笑った!
『天使はモップを持って』ビルの清掃員の女の子が主人公というのが、まず面白い。ゴミを見れば、職場や人が分かるというのもいい。てきぱき掃除してゆく主人公が、かっこよく見える。

『k。m。p。のチェンマイアパート日記』k。m。p。待望の新刊!今度は、ホテルではなく、現地にアパートを借りて住んでしまうという旅の形。ちまっとしたイラストに、手書き文字が満載で、にんまりしながら読んで、チェンマイに滞在したような気分になる。
『まほろ駅前多田便利軒』作者の好きな世界を爆発させたような小説だと思った。便利屋の多田と、彼のもとにころがりこむ謎めいた男の物語は、ユーモアたっぷり。

『十三歳の仲人』平岩弓枝の、「御宿かわせみ」シリーズの最新文庫。どんどん大きくなる子どもたちに、親戚の子の成長でも見守るような気分になる。
『桃色トワイライト』なにも言うことなし。

『私の家は山の向こう』アジアの歌姫と呼ばれたテレサ・テンの伝記。感想はこちらに→→→■■■
『聞き屋与平』ただただ人の話を聞く、“聞き屋”という不思議な仕事をする与平。いつものように、市井の人の暮らしが丹念につづられて、ほんのり気分が温かくなる。

『10ドルだって大金だ』ジャック・リッチーの短編集。さくっと読んで、にやっとするにはうってつけ。
『秘密の花園』白黒つかない結末なのに、さほどもどかしい感じがしないところが不思議。女子校のまったくタイプの違う3人の、それぞれの心のうちにあるものは、どれも静かにたぎっている。ふと、“すさまじい”という形容を思い浮かべた。

『なまくら』地の底を這うような暮らしの中にある、一筋の光と、それを手にするさまを描いた短編集。若いということは、力強いものなのだなと思える。
『13階段』人を殺した後、仮出所をした青年。彼のもとに訪れた休職中の刑務官の頼みで、ある死刑囚の冤罪を晴らすという仕事を手伝うこととなる。死刑とはなんなのか、人が人を殺すこととはなんなのかを問う、骨太のミステリー。冤罪事件の解明と、謎を追う青年と刑務官の過去とが徐々に明らかになっていく過程は、心に石でも沈められたような重々しさがあるのに、完全にうちひしがれた気分にならないところに救いがある。作者の視線が、罪を犯した者、被害にあった者、さらに裁かれながら悔いることのない者にまで注がれているからかもしれない。
posted by あんく at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ○月の本読み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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