2011年04月06日

3月の本読み(2011年)

3月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:972ページ

ボーダー―ヒートアイランド〈4〉ボーダー―ヒートアイランド〈4〉
雅のメンバーが集まって同窓会みたいな雰囲気は、シリーズを読んできた者には嬉しい設定。2時間くらいで一気に読み終わってしまった。柿沢たちに鍛えられ、新しいハードルを越える充実感を味わっているアキと、どこか空虚な時間を過ごしているような大学生のカオルの対比は、ちょっと切ない。
読了日:03月28日 著者:垣根 涼介
最初の哲学者最初の哲学者
『ジョーカーゲーム』より、こっちのほうが柳広司作品!という感じがする。ギリシア神話を知っていたほうがよさそうだが、知らなくてもショートショートのような感覚で楽しめる。装丁も美しい。
読了日:03月08日 著者:柳 広司
地下室からのふしぎな旅 (講談社 青い鳥文庫)地下室からのふしぎな旅 (講談社 青い鳥文庫)
足を踏み入れたすぐ先に別世界があるかもしれない。そんな誰でも思うことから、これだけ世界が広がっていくおもしろさ。子どものころに、出会いたかった。
読了日:03月05日 著者:柏葉 幸子
古代エジプト王国トラベルガイド古代エジプト王国トラベルガイド
過去のトラベルガイドという体裁で書かれているけれど、それがあまり功を奏していない。大昔に書かれたという感じがあまりしなかったのは、何千年も前のピラミッドやスフィンクスが当たり前のようにエジプトに現存するからだろう。
読了日:03月02日 著者:シャーロット・ブース

読書メーター
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2010年11月21日

10月の本読み(2010年)

10月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2219ページ

横浜異人街事件帖横浜異人街事件帖
幕末期の横浜。異人たちが町の風景の一部になっている日常と、そこに起きるさまざまなできごとが淡々としていながら、生き生きと描かれている。攘夷だ、開国だと熱くなることはなく、地に足が着いた感じが好感度大。人物に注がれるまなざしも、ほんのりと温かみがあって、他の作品も読んでみたくなる。
読了日:10月28日 著者:白石 一郎
ふしぎ列車はとまらない―おばけ美術館〈3〉 (ポプラの木かげ)ふしぎ列車はとまらない―おばけ美術館〈3〉 (ポプラの木かげ)
美術館の絵と、吹雪、列車にどんなつながりがあるのか想像がつかず、ちょっとしたミステリー気分で楽しめた。絵にまつわる思いがあふれ出る終盤は、思わず泣けてしまった。まだ続きがあるようなので楽しみ。
読了日:10月25日 著者:柏葉 幸子
虚擬街頭漂流記虚擬街頭漂流記
そういう狙いだとは思うが、途中で露華の体験なのか、ママの記憶なのか分からなくなって混乱する。この二人の関係をめぐる事実が、もっと絡み合うようなものを思わせながら、結局は尻すぼみだったのはもったいなかった気が。しかし、あの西門町の描写は町の風景が本当に浮かび上がってくるようで、それだけでゾクゾクした。
読了日:10月22日 著者:寵物先生
絶叫委員会絶叫委員会
言葉っておもしろいなぁ。一文字違うだけで、こんなに笑える。いちばん笑ったのは、「夏にフィーバーは暑いよね」。フィーバー=熱のことなのかとか、サタデーナイトフィーバーってあったよね、トラボルタのあの衣裳は時代を感じさせるなとか、これだけいろいろ想像してしまえた。
読了日:10月17日 著者:穂村 弘
新・御宿かわせみ (文春文庫)新・御宿かわせみ (文春文庫)
東吾と源三郎のコンビが見られないのが寂しいけど、麻太郎たちの若さは初めのころの「かわせみ」を思わせて、気持ちがいい。花世の勝ち気な感じが、かわいらしくてほほえましい。新暦に慣れない様子や、江戸が東京に変わっていくさまも面白い。
読了日:10月15日 著者:平岩 弓枝
愛は苦手愛は苦手
作者、実は女性なのでは?という思いがますます強くなる。人に見せたり、口に出したりしないけど、40歳も過ぎると女性もいろんなことを考えるもの。さらりとしているけれど、自分でも蓋をしているところを覗かれたような、ちょっとくすぐったい感じがする。輝かしくはないけど、若くなくなることも幸せだと思えてくる。
読了日:10月14日 著者:山本 幸久
皇后ジョゼフィーヌのおいしい人生皇后ジョゼフィーヌのおいしい人生
愛人を作ったり、結婚を画策したり、恋愛の域を越えてほとんど仕事。貴族生活もこうしてみると優雅とは程遠い。ナポレオンも、当時としてはかなり規格外な感じで、現代風。藤本作品にしては、毒気控え目で少し物足りないかな。
読了日:10月06日 著者:藤本 ひとみ
第三の嘘 (ハヤカワepi文庫)第三の嘘 (ハヤカワepi文庫)
なにが真実なのか、読めば読むほど分からなくなって、前二作で描かれた物語が全く違うものに変わったのは、これぞ読書の醍醐味という気分。悪童日記での双子の無感情がそら恐ろしかったけれど、その反動のような強い感情に揺さぶられる。ただ、また読みたいとは思わないかな。
読了日:10月02日 著者:アゴタ・クリストフ

読書メーター
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2010年10月06日

9月の本読み(2010年)

 8月はぐんぐん本を読むスピードがあがった反動か、今月は今ひとつ読書はかどらず。

9月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2524ページ

戸村飯店青春100連発戸村飯店青春100連発
青春とは、考えなくていいところまで一所懸命考えて、考えて、悩んだり、思い違ったりしながら、時間を無駄にできる貴重な時代なんだと思った。一所懸命考えて、くねくねと回り道ができる戸村兄弟が、かわいくてしかたなくなる。自分にもこういう時間が流れていたことを、思い出させてくれる。あぁ、青春まさに100連発!
読了日:09月28日 著者:瀬尾 まいこ
アルベール・カーン コレクション よみがえる100年前の世界アルベール・カーン コレクション よみがえる100年前の世界
BSドキュメンタリーで見て、いっぺんに魅了された世界が、本になってもやはりすばらしかった。ほんの100年ほど前の世界なのに、こうして写真で目にすると、まさに劇的に世界が変わっていったんだと思い知らされる。今回は図書館で借りたけれど、いつかちゃんと買って手元に置きたい。
読了日:09月25日 著者:デイヴィッド オクエフナ
プロムナードプロムナード
書くことが楽しくて、文章で表現したいことがたくさんあるんだということが、そこかしこから感じられるエッセイ。どんな人物が書いたかは、物語には無関係なんだとは分かっているけれど、書きたくてたまらないと思って書きあがった作品だと分かったら、妙に嬉しくなった。奇をてらったところがない、淡々とした読み口に好感がもてる。
読了日:09月24日 著者:道尾秀介
親指の恋人親指の恋人
可愛らしげな表紙とタイトルと、その中身とのあまりの落差に騙されてしまった。生きてればいいことがあるとか、辛くてもがんばれば報われると思っているわけではないけれど、それでもこの虚しい感じはなんだろう。樹里亜のために就職するといいながら、面接でやる気のなさを指摘されてしまう澄雄。お金のため、生活のためにやる気が出せないようで、果たして樹里亜とやっていけたのかと、意地悪く見てしまったのは、自分が大人になったからだけじゃないと思いたい。
読了日:09月20日 著者:石田 衣良
ふたりの証拠 (Hayakawa Novels)ふたりの証拠 (Hayakawa Novels)
油断していたら、最後に一気に混乱して、そこだけ3回くらい読み直してしまった。一人称でしか語られなかった『悪童日記』と違い、それぞれに名前が与えられると、それだけで人の温度を感じられるようになる気がした。
読了日:09月14日 著者:アゴタ クリストフ,アゴタ・クリストフ
47都道府県 女ひとりで行ってみよう47都道府県 女ひとりで行ってみよう
誰とも話せなくて、食べ物屋さんを眺めて悩んで入れなかったり、分かる、分かるな〜。自分が住むところで、作者がなにを感じているのか気になってどきどきしながら読み、行ったことのある場所はそのときのことが思い出されて、知らない場所では想像がふくらみ、全部それぞれ違うふうに楽しめた。人の旅の話はおもしろくないかもと書いてあったけれど、十分におもしろい!
読了日:09月07日 著者:益田 ミリ
チャイルド44 下巻 (新潮文庫)チャイルド44 下巻 (新潮文庫)
上巻での八方ふさがり的な息苦しさが、下巻で少しずつほどかれていく。その、じわりとした、ささやかな希望が、権力を持たない庶民にもたらされるところに、救いを感じる。この物語は終わっても、レオたちの生活は続いてゆくし、今あるものが明日の保障もないことは、物語の中でいやというほど味わっているだけに、ラストが思っていたよりもずいぶんと爽やかだったことにほっとした。妻のライーサが言うように、どんな状況にあっても希望を持ち続けることを諦めない主人公レオは、強かった。
読了日:09月05日 著者:トム・ロブ スミス
チャイルド44 上巻 (新潮文庫)チャイルド44 上巻 (新潮文庫)
断片的なエピソードがなかなかつながってゆかず、少し焦れるけれど、それでも続きが気になって読むスピードがあがっていった。スターリン政権下の生活というのは、こんなにもビリビリしていたのかと思うと、読むだけで胃が痛くなる。ここに描かれた国家で、心底明るい未来を思い描ける人は、いったいどれだけいたのだろう。
読了日:09月03日 著者:トム・ロブ スミス

読書メーター
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2010年09月01日

8月の本読み(2010年)

8月の読書メーター
読んだ本の数:22冊
読んだページ数:5233ページ

月の恋人―Moon Lovers月の恋人―Moon Lovers
恋愛小説というより、それぞれの成長譚として十分楽しめた。何年かたったら、ドラマと結びつけられることもなくなって、一遍の物語として楽しめそう。ただ、シューメイが台湾人なのに上海で働いていたり、学生時代に日本へ卒業旅行したとかいう辺りのありえない設定が気になった。ドラマの配役ありきだから?
読了日:08月30日 著者:道尾 秀介
天の鹿―童話天の鹿―童話
幻想的で、少し怖い。不思議な鹿の市の描写が魅力的で、水晶の首飾りも、美しい反物、おいしそうな食べ物に、珊瑚や不思議なものが目に浮かんでくる。
読了日:08月28日 著者:安房 直子
ホルモー六景ホルモー六景
ただのスピンオフ作品と侮るなかれ。時間も空間も想像以上に広がって、サービス精神の極み。二人静の、定子&彰子コンビが男前で、凡ちゃんのいじらしくて、のっけからぐっときて、最後まではずれなし。世界はホルモーでつながっている……のかも?
読了日:08月28日 著者:万城目 学
オチケン! (ミステリーYA!)オチケン! (ミステリーYA!)
出だしがかなりおもしろくて期待しすぎたのか、肩すかしをくらわされた感がなきにしもあらず。日常系ミステリーなのだが、落語をからめた謎があまりストンと落ちてこなかった。岸が名前以外に、そこまで越智をかっているのもよく分からなかったかな。乗馬部の丹波のお礼はなかなか、しゃれていた。
読了日:08月25日 著者:大倉 崇裕
鼠、闇に跳ぶ鼠、闇に跳ぶ
どのお話も、すっきりと短く、それでいてちゃんと時代物の味わいがあって、しかもおもしろい。次郎吉と小袖のかけあいの軽妙さ、鼠小僧とてどうにもしようのない切なさなどなど、いろいろな種類の余韻が残る。余計な言葉をそぎ落として、分かりやすく、かつ面白いお話って、ありそうでなかなかない。
読了日:08月23日 著者:赤川 次郎
野球の国野球の国
球場に行った翌日に見かけて、そのまま読み始めた。球場で見る生の野球のおもしろさと、テレビでは味わえない臨場感が手にとるように伝わってくる。作者のように、地方球場で野球を見る旅に出たくなる。旧広島市民球場をほめてくれて、感謝!!
読了日:08月23日 著者:奥田 英朗
扉守(とびらもり)扉守(とびらもり)
大林宣彦監督の映画といい、この作品といい、尾道にはここにあるような気の流れがあるのかもしれないと思えてくる。一つのめ「帰去来の井戸」がおもしろく、この井戸をめぐる人たちの連作だと思いこんでいたので、まさかとぼけた住職・了斎が全編を通じて登場する人物だったとは。
読了日:08月21日 著者:光原 百合
身をつくし 清四郎よろづ屋始末身をつくし 清四郎よろづ屋始末
よろづ屋清四郎、かっこよすぎます。ぬぐい去れない過去が陰となり、切れ者で、見目もよく、機微にも敏いというあまりの魅力的な造形に、かえって近づきがたく距離を覚えてしまう。むしろ、小ずるく友人に嫉妬する3話目「お染観音」のお都勢や、自らを凡庸だと認める2話目の水野のような人のほうが気になってしまう。お話は、さすがの巧さ。
読了日:08月19日 著者:田牧 大和
深川にゃんにゃん横丁深川にゃんにゃん横丁
市井ものの時代小説を読むと、いつの時代にも地道に、でも確かに生きていた人たちがいたんだと思える。
読了日:08月17日 著者:宇江佐 真理
魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章
ユーモアとスパイスがしっかり効いて、楽しみながらも、しっかり一冊読んだ満足感を味わえる。10章に登場するオペラに感動したN社長の話が印象的。まっさらな状態で素晴らしいものに出会えたN社長と、その瞬間に居合わせた人たち両方がうらやましくなるほど痺れるエピソードだった。
読了日:08月16日 著者:米原 万里
大おばさんの不思議なレシピ (偕成社ワンダーランド (8))大おばさんの不思議なレシピ (偕成社ワンダーランド (8))
魔法のレシピが、不思議な世界への入り口。しかも作ると必ず行けるわけではないというのも、いい。不器用ながら、お節介な少女をはじめ、周りもいい味。柏葉幸子作品にすっかり魅入られたみたい。
読了日:08月15日 著者:柏葉 幸子
夏と花火と私の死体 (集英社文庫)夏と花火と私の死体 (集英社文庫)
読了日:08月15日 著者:乙一
怖い絵怖い絵
テレビも映画もない時代、絵画はそれらの代わりにもなっていたことがよく分かる。恐ろしい絵を描くのも、それを楽しんで見る人たちがいるのも、こう考えるとしっくりくる。直接的な怖さに、背景を知って分かる怖さと、いろいろあっておもしろい。
読了日:08月15日 著者:中野 京子
カラフル (文春文庫)カラフル (文春文庫)
死を選んだ少年に、「ぼく」が宿り再び生き直すという物語に素直に感動。真がなぜ突然死んでしまおうとしたのか、両親や兄は苦悩するものの、もう一度真に向き合うチャンスを得られたことが、心底羨ましい。突然逝ってしまった人に、なぜと聞くことも許されず、逝ってほしくないとすがることもできないと知っているから、このお話が沁みてくる。本当に、ここにあるような抽選があるといいのに。
読了日:08月15日 著者:森 絵都
悪童日記 (Hayakawa Novels)悪童日記 (Hayakawa Novels)
双子の少年たちの目を通して見た戦時下は、ときどきそれを忘れてしまうくらいに淡々としていて、ゆえに日常だったんだと思うと重い気分になる。自分たちの正義にのっとって行動する二人に、感情の昂ぶりも、揺れもないのが怖かった。彼らがどこを見ているのか知りたくて、続きを読んでしまうんだろうな。
読了日:08月14日 著者:アゴタ クリストフ,クリストフ、アゴタ,Agota Kristof
トマト魔女の魔女修業トマト魔女の魔女修業
トマトが魔女という発想からして、楽しい。魔女と普通の女の子がトマト魔女を介して出会い、少し成長する物語は夏休みにぴったり。
読了日:08月13日 著者:柏葉 幸子
なでしこ御用帖なでしこ御用帖
読み始めて、“斬られ権佐”の名前が出てきたのに驚きつつも、嬉しくなった。彼の孫娘お紺が、祖父にならうように捕り物にかかわる連作短編は、若い娘の瑞々しさにあふれて、爽やか。威勢のいいお紺と対をなすような、優しくてちょっと頼りない男どもも味がある。お紺が同心に向けた「この、とんちき侍が!」という一言がお気に入り。
読了日:08月12日 著者:宇江佐 真理
のぼうの城のぼうの城
長親が登場したところで、すでになにかやってくれそうな予感がして興奮した。三成勢の圧倒的な数をたのんだ攻めを、真っ向から受けて立つ長親勢の奮闘は、歴史も合戦も、戦国物にも疎いのにワクワクしっぱなしだった。
読了日:08月10日 著者:和田 竜
偏愛ムラタ美術館偏愛ムラタ美術館
絵画というのは、少なからず描く人の情熱が形をなしていると思ってはいたが、ここにある作品へこめられた情熱は、これまた分かりやすいぶん迫ってくる。内面からほとばしり出る「描きたい」という思いが、著者の琴線に触れ、さらに多くの人がそこに引きこまれる。情念の作品のオンパレードに、あてられつつも目が離せなくなる。
読了日:08月05日 著者:村田 喜代子
おばけ美術館〈2〉妖精ケーキはミステリー!? (ポプラの木かげ)おばけ美術館〈2〉妖精ケーキはミステリー!? (ポプラの木かげ)
おばけ美術館の第2作目。美術館の面々をどういう形で活躍させるのか想像するだけで楽しくなった。美術館内だけでなく、街中で存分に活躍してくれるおばけたちは、相変わらず魅力的。
読了日:08月02日 著者:柏葉 幸子
おばけ美術館へいらっしゃい (ポプラの木かげ)おばけ美術館へいらっしゃい (ポプラの木かげ)
夏休みにぴったり。おばけ美術館の館長になったまひると、画から飛び出たものたちの賑やかそうな雰囲気が楽しく、わくわくしてくる。ひらいたかこの挿し絵が、お話にぴったりで可愛いのもよい。
読了日:08月02日 著者:柏葉 幸子
金魚生活金魚生活
ところどころに、中国語そのままの単語が交ざる文章には、不思議なリズムがあって、これが妙に心地いい。孫の世話をするために、日本でお見合いしようかという発想が、玉玲のどこかのんびりした人にかかると、計算という感じが薄らいで、楽しそうに見えてきた。金魚色、いい色の名前だ。
読了日:08月02日 著者:楊 逸

読書メーター
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2010年08月01日

7月の本読み(2010年)

6月分は、なんだか赤と黒の表紙が多くなり、変におどろおどろしい感じになったけれど、7月は少し爽やか風味。意図したわけではないんですがね。

7月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:4836ページ

東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))
自分が見ているものにも、こんなおもしろそうなものが潜んでいるのかもしれないと思うだけで幸せな気分になる。タイトルの「ほかに踊りを知らない」のくだりは、まさかの内容に笑った、笑った。
読了日:07月29日 著者:川上 弘美
牡丹さんの不思議な毎日 (あかね・ブックライブラリー)牡丹さんの不思議な毎日 (あかね・ブックライブラリー)
型破りな牡丹さん一家と、脱力系幽霊、好きです。どの幽霊たちも、登場のしかたが凝っていて、彼らがどんなことをするのか想像もつかないので、わくわくしながら飽きずに読めた。大人も楽しめるけれど、子どもたちにもぜひぜひ読んでほしい。
読了日:07月29日 著者:柏葉 幸子
1/4のオレンジ5切れ1/4のオレンジ5切れ
母から残されたレシピをもとに、小さな料理店を営む女性。母やきょうだいたちとの日々、そして少女のころに出会ったドイツ兵との思い出。ひりひりするような焦燥感や、求めても手の届かないものへの強い憧れと憎しみ、そのどれもが重苦しいのに、美しくて心に残る。見たことも、味わったこともないのに、出てくる料理がどれもこれも輝かんばかりにおいしそう。とにかく、おもしろかった!
読了日:07月27日 著者:ジョアン ハリス
つづきの図書館つづきの図書館
裸の王様や、オオカミといった絵本の中の人たち(?)の優しさが沁みてくる。絵本から飛び出してしまうほどに誰かを心配する姿は、捜されている子どもたちだけではなく、それを見ている読み手にも安らぎをもたらしてくれる。人は、誰かに思われていると実感すると、元気になれるんだと思える。
読了日:07月24日 著者:柏葉 幸子
ニート・ニート・ニートニート・ニート・ニート
真っ当からこぼれている人たちばかり。無職、ヒモ、引きこもりに、正体不明の少女が繰り広げる、ハチャメチャな北海道旅行がパワフルでいい!映像化されたら、と想像が膨らむ一冊。
読了日:07月24日 著者:三羽 省吾
心で知る、韓国心で知る、韓国
韓国ドラマのお伴に最適。韓国映画、ドラマを見ていて感じる「なぜ」が氷解する。儒教、理と気、恨など、丁寧な解説で少しだけながら、お隣の国の内側をのぞくことができたような気がする。
読了日:07月22日 著者:小倉 紀蔵
ふしぎの国の安兵衛ふしぎの国の安兵衛
仕事も家のことも大変だし、そろそろ結婚して嫁さんでももらうかな。ひろ子にとって、安兵衛ってこういう存在なんじゃないかと思えてしかたなかった。が、安兵衛が江戸でどう過ごしていたかを話してから、ラストまでの展開で、そのモヤモヤも忘れてもいいかなという気分に。実際のところ、ひろ子は安兵衛をどう思っていたのかな?
読了日:07月22日 著者:荒木 源
追想五断章追想五断章
小説の作者として、追想の中でしか登場しない叶黒白像が、徐々に浮かび上がってくるような構成と、彼の残した陰鬱な短編が見せる光景は、大正や明治といってもいいような雰囲気がある。
読了日:07月20日 著者:米澤 穂信
誰にも見えない誰にも見えない
読み始め、この今どきの若者というより子ども言葉でどこまで耐えられるのか不安だったが、それが次第に気にならなくなった。14歳は一つの通過点だけど、やはりどこか特別な年ごろなんだなと思う。人が生まれてからしなければならないことは、誰かを幸せにすることかぁ。心の奥底に沈んでいくような言葉だった。ピオーネが食べたくなる。
読了日:07月19日 著者:藤谷 治
百年の家 (講談社の翻訳絵本)百年の家 (講談社の翻訳絵本)
荒れ果てた家に、人が集まり、息を吹き返していくような前半と、少しずつ人が減り、家の姿が変わってゆく後半。文字では味わうことのできない、絵本ならではの感慨がじんわりと伝わってくる。人の一生も長くて百年ほどだと思うと、これは人の一生の物語でもあるのかなと思えてくる。
読了日:07月18日 著者:J.パトリック・ルイス,ロベルト・インノチェンティ
さよならドビュッシーさよならドビュッシー
真摯という言葉が甘っちょろく思えるほどの少女の生き方に圧倒されて、ほとんど一気読み。ただ、障害のある、なしにかかわる目線が、少女を通してだからかものすごく一面的なのが気になった。そして、おじいちゃんに、新条先生、岬先生と男性が個性的でいいのに、女性たちがことごとく魅力がない。女性が生き生きしている作品好きとして、大いに不満。
読了日:07月17日 著者:中山 七里
アニメーション監督 原恵一アニメーション監督 原恵一
クレヨンしんちゃんファンとして、貪るように読みふけったものの、しんちゃんに思い入れのない人には、少しとっつきにくい造りかもしれない。が、なにかを創りたいというエネルギーは、それがアニメだろうか、実写映画だろうが、他のものだろうが同じように熱くて、おもしろい。
読了日:07月14日 著者:
天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺
まさに人らしくない、まっとうすぎるソニンが物足りなくて、王子二人やイェラ王女のほうに共感できると思ってきたけれど、もしかすると自分がソニンと同じ目線で彼らを見ているからそう感じるのかもしれないと四巻目にしてやっと気づいた。ソニンは、読む物を含めてまわりのものを映しこむ鏡のような存在なのかも。
読了日:07月14日 著者:菅野 雪虫
台湾人生台湾人生
台北の横断歩道で信号待ちをしていたとき、日本語で話しかけてきた銀髪の女性の嬉しそうな表情を思い出した。台湾=親日と簡単に言われがちだけれど、それだけじゃない深い深いものを、丁寧に拾ってくれているのが同じ日本の女性なのが救い。戦後日本の宿題がここにある。
読了日:07月10日 著者:酒井 充子
恐怖と愛の映画102 (文春文庫)恐怖と愛の映画102 (文春文庫)
興味の中心が映画だったころに観た作品が次々に出てきて、懐かしくなった。ハリウッド作品から、ヨーロッパ、中東、アジア、邦画まで網羅しながら、そのどれにも注がれる愛情と鋭い視点に、フィルムの断片がよみがえるよう。『怖い絵』の中野京子だと、半分くらい読んでから気づいた。おもしろいわけだ。
読了日:07月09日 著者:中野 京子
オケ老人!オケ老人!
楽器もできないし、音楽のことはさっぱりだけど、演奏会の場面はまるで自分もオケの一員になったような錯覚に。音楽って、あんなにも気持ちのいいものだとしたら、自分は随分損をしているのかも。お年寄りたちが楽しんでいるのも、うまくなっていくのも嬉しい。
読了日:07月07日 著者:荒木 源
怖い絵2怖い絵2
絵画の背景を知ると、こんなにも絵が違って見えるんだと目からウロコ。2から読んだけど、他ももちろん読むつもり。
読了日:07月07日 著者:中野 京子
女中譚女中譚
本物のメイドだったすみさんのとわず語りは、もとになったらしい作品を知らずとも、その時代を生きてこずとも、さもそれらが旧知であるかのような感慨を抱かせてくれる。時の流れを歪められたような読後感。
読了日:07月04日 著者:中島 京子
私はフェルメール 20世紀最大の贋作事件私はフェルメール 20世紀最大の贋作事件
画家として芽が出なかったファン・メーヘレンが、贋作に心血を注いでいくさまはまさに、事実は小説よりも奇なり。ただ、個人的にはメーヘレンの描く画があまり好きな類のものではないので、目で見てそのすばらしさを実感することはできなかった。
読了日:07月03日 著者:フランク・ウイン

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2010年07月01日

6月の本読み(2010年)

6月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2667ページ

奇縁まんだら 続奇縁まんだら 続
不勉強で、前の巻よりさらに作品を知らない方ばかり。それなのに、その人となりがやすやすと映像として浮かんでくるのが不思議。こんなにたくさんの人と会い、またそれをまるでつい数日前のことのように描ける作者の記憶力に敬服。いや、本当におもしろい!
読了日:06月30日 著者:瀬戸内 寂聴
虎と月 (ミステリーYA!)虎と月 (ミステリーYA!)
山月記とミステリー。まったく縁のなさそうな二つが結びつくと、こんなふうになるのかとおもしろく読んだ。山月記のテンポのよい漢文調の文章が、しきりに読みたくなるのは、やはり作者の山月記への愛情があふれた作品だからじゃないかと思えてくる。
読了日:06月27日 著者:柳 広司
マローディープ 愚者たちの楽園 (講談社ノベルス)マローディープ 愚者たちの楽園 (講談社ノベルス)
モルディブと伊豆での事件が、徐々につながっていく過程を、時間を前後させながら語り、それを混乱させずに読ませる手腕はさすが。気づいたら、パズルのピースが埋まっていたというように、ぴたっと収まる気持ちよさ。伏線拾ってますと、主張しないこのさりげなさが好きだ。
読了日:06月27日 著者:森福 都
田村はまだか田村はまだか
40歳にもなると、いろんなことがあるなと妙に納得するものの、「田村はまだか」があんまりにも繰り返されて少しくどい感じがしてしまった。
読了日:06月23日 著者:朝倉 かすみ
かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)
大人も子どもも楽しめる、いいお話。かのこちゃんと、すずちゃんの出会いや、風変わりな二人の友情、猫と犬の夫婦とか、はたまた猫股のお話まで、思わぬところに連れて行ってくれる世界の広さを堪能した。かのこちゃんみたいな子どもと、遊んでみたいなぁ。
読了日:06月20日 著者:万城目 学
ダブル・ジョーカーダブル・ジョーカー
超人的なD機関のスパイたちといえども、人の感情や、巡り合わせに抗えないところがあるんだと思えて、前作より好感度アップ。そのぶん、皇国に忠誠を尽くそうとするわけでもなさそうな結城中佐が、なんのためにD機関を作り上げたのか気になり始めた。その答えが知ることができるのだろうか。
読了日:06月18日 著者:柳 広司
桜下の決闘 吉岡清三郎貸腕帳桜下の決闘 吉岡清三郎貸腕帳
清三郎と、陰気な女中おさえの他にも、清三郎の祖父や、新しい下女などが登場して、ますます魅力的。清三郎のひねくれきった優しさがかいま見える物語のおかしみと、剣戟シーンと冴えわたるさまが、さすがの出来!それだけに、最後が気になる。シリーズ三作目を切望します。
読了日:06月17日 著者:犬飼 六岐
木練柿(こねりがき)木練柿(こねりがき)
信次郎と清之介に注がれる、伊佐治の父親のような温かい目線にほろりとする。人と人が交わりながら、変わっていけると思わせてくれるぶん、前作よりずいぶんと温度が感じられる。もちろん、それでも拭いきれない仄暗さも健在で、ひと味ちがった時代物になっているのがいい。
読了日:06月16日 著者:あさの あつこ
忍びの国忍びの国
中盤くらいまで、だれが主軸なのかよく分からず、手探りしながら読むような感じだった。中盤以降は、加速度的におもしろくなり、事が決する第4章は大いに盛り上がった。忍びの生き方は、野生動物のようで、領地を広げ勢力を強めるために戦いを繰り返す武将よりも、魅力的に思えた。とにかく、出てくる人みなが魅力的だけれど、やはり無門がいちばん。お国とのかけあいがおもしろいだけに、最後が切なかった。
読了日:06月04日 著者:和田 竜
トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)
タイムトラベルに至る設定が面白いけれど、中世イングランドの暗い空気と、枇杷が受ける痛みの描写に息苦しくなった。うまく言えないけれど、ところどころにトゲのような冷たさを感じてしまう。続きがあっても手が出そうにないかな。
読了日:06月01日 著者:初野 晴

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2010年06月01日

5月の本読み(2010年)

5月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2941ページ

白いおうむの森―童話集 (偕成社文庫)白いおうむの森―童話集 (偕成社文庫)
「はざま」という言葉を思わせる、どこにも属すことのない場所に迷いこむような童話集。鶴のくれた青いお皿のお話『鶴の家』を読み終わったとき、気づいたら泣いていた。安房直子のお話は、ときどき、思い出したときにぽつり、ぽつりと少しずつ読みたくなる。
読了日:05月31日 著者:安房 直子
ポトスライムの舟ポトスライムの舟
社会人になって、一番時間をとられるのが仕事のそれ。働く意味が揺らぐと確かに辛い。ゆえに自分と仕事の関係に、どういう折り合いをつけられるかは大切。「時間を金で売っているようだ」に激しく納得。それでも、仕事に向き合おうとするお話なので、ほっとする。
読了日:05月27日 著者:津村 記久子
十角館の殺人 (講談社ノベルス)十角館の殺人 (講談社ノベルス)
もっと捻りがあったり、もっと衝撃的だったりする作品は他にもあるだろうが、すとんと落ちるような明快さと、まとまりの良さは頭抜けている。ミステリ入門として、人に勧めたくなる。
読了日:05月26日 著者:綾辻 行人
奇縁まんだら奇縁まんだら
登場するお歴々のうち、川端康成、水上勉、遠藤周作をそれぞれ一作ずつ、しかも短編しか読んだことがないのに、だれもかれも身近に思えてきた。ここまで書いて大丈夫?と思うような破天荒さのオンパレードだが、そのどれもに愛嬌がある。こういう人たちの描く文学世界に、俄然興味が湧く。
読了日:05月24日 著者:瀬戸内 寂聴
ナンシー関の記憶スケッチアカデミー〈2〉 (角川文庫)ナンシー関の記憶スケッチアカデミー〈2〉 (角川文庫)
もう苦しくて、涙が出て、息もできなくなるほど笑ったのは、本当に久しぶり。悶絶するほどのおかしさ。ナンシー関のコメントがすばらしいのは言うまでもないが、中年、壮年の人たちがどんな顔をしてこれを描き、さらには投稿までしたのかと思うと、嬉しくなる。
読了日:05月23日 著者:ナンシー関
恋文の技術恋文の技術
阿呆だなぁ、なんて阿呆な男なんだ守田。そう思って笑っていたら、後半でほろっとさせられ、はからずも涙さえこぼしそうになってしまった。守田よ、つくづくしょうがない男ながら君は佳いやつなのだなあ。恋文修行、果たされり、そう思うよ。
読了日:05月23日 著者:森見 登美彦
韓国人ウ君の「日韓の壁」ってなんだろう韓国人ウ君の「日韓の壁」ってなんだろう
その国をひとくくりにした一面で見ても、本当の姿は見えないということがよく分かる。日韓関係に限らず、今の日本は、果たして地に足のついた世界観を持っているのかと考えてしまった。
読了日:05月22日 著者:禹 守根
水曜日の神さま水曜日の神さま
角田光代のエッセイは、やはりおもしろい。旅のしかたも、食べ物の好みも、文章に出てくるいろんなことが自分とは違いすぎて、行きつく先が予測できず、ざわざわしたものが静かに押し寄せてくるような読み応えがいい。違いすぎるから、楽しめるというこのずれた感じが愉快。
読了日:05月15日 著者:角田 光代
日本の国宝、最初はこんな色だった (光文社新書)日本の国宝、最初はこんな色だった (光文社新書)
褪色して、ひなびた味わいの美術品もいいけれど、極彩色に色鮮やかな往事の作品もいいと、だんだん思えてくる。
読了日:05月13日 著者:小林泰三
父の戦地父の戦地
戦争が日常であった世代にしか書けない、てらいのない文章だからこそ、泣けてくる。戦時下=悲劇の一面が強調されるより、のんびりとしたお父さんの葉書のほうが、考えさせられるのは皮肉。
読了日:05月09日 著者:北原 亞以子
オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険
心理学と名付けた西周が、初めは性理学としようとしたというが、その方が心理学の内容に合っているかも。話題になるニュースは目にふれても、確かにその後の真偽や経過は目に触れないことのほうが多いことを、肝に銘じなくては。
読了日:05月04日 著者:鈴木 光太郎
儚い羊たちの祝宴儚い羊たちの祝宴
黒くて、どこか淫靡な空気漂うお話は、どれもおもしろかった。特に、山荘のお話はうまく裏切られてよかった。続編もできそうな終わり方だったのも、嬉しい。
読了日:05月03日 著者:米澤 穂信

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2010年05月01日

4月の本読み(2010年)

4月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3905ページ

八つの小鍋―村田喜代子傑作短篇集 (文春文庫)八つの小鍋―村田喜代子傑作短篇集 (文春文庫)
不思議な味わいが後をひく。まったく別ものだけれど、梨木香歩の作品にある不可思議な世界を連想する。
読了日:04月28日 著者:村田 喜代子
ぶれない―骨太に、自分を耕す方法ぶれない―骨太に、自分を耕す方法
平易な文の中に、道を究める人ならではの強さがほとばしる。まだまだ描きたいものがあるとあるように、もっと長生きして思う存分描いていただきたかった。
読了日:04月27日 著者:平山 郁夫
ホンのお楽しみ (講談社文庫)ホンのお楽しみ (講談社文庫)
一番信頼している書評家さんだけに、この一冊だけで読みたい本がざくざく。イラストもかわいらしい。
読了日:04月26日 著者:藤田 香織
待ってる 橘屋草子待ってる 橘屋草子
橘屋という料理屋を舞台にした、時代連作短編。それぞれの人生を真剣に生きる女性たちの姿がまぶしい。そして、彼女たちを見つめる女中頭のお多代の、厳しくも温かい目に、安堵する。あさのあつこの時代小説って、いいなぁ。
読了日:04月26日 著者:あさの あつこ
叛旗は胸にありて叛旗は胸にありて
苦手な謀反の話なのに、主人公の熊谷三郎兵衛の人物設定がよくて、物語にぐんぐん引きこまれた。提灯貼りは玄人はだし、風貌はらっきょう、小心で足だけは速いが風采の上がらない浪人者の彼が、いかにして謀反に関わってゆくのか。「読ませる」物語だった。この作者が生み出す人物は、どうしてこうも魅力的なんだろう。
読了日:04月23日 著者:犬飼 六岐
モンキームーンの輝く夜にモンキームーンの輝く夜に
ちょっと苦手な文体だったけれど、シノヤンとの関係がああなってから、先が気になって一気に読了。7年前の本だけれど、ラオスは今ものどかなんだろうか。
読了日:04月20日 著者:たかの てるこ
ブルータワー (徳間文庫)ブルータワー (徳間文庫)
余命宣告された主人公も、200年先の黄魔はびこる世界も、重苦しいはずなのにテンポよく読める。途中、かなり間をあけても、すぐに物語にもどれた。李博士が語る文革時の、読書会の話が印象的。
読了日:04月18日 著者:石田 衣良
シングルベルシングルベル
すみれ、彩子、カトリーヌの女性3人が魅力的。恋もするし、仕事も、家族のことも大事だけど、結婚するまでには踏み出さないふわっとした感じこそが、山本幸久の真骨頂。すみれに幸せになって欲しいんですと策を巡らせる尾崎も、彩子と後輩社員の財井の関係にもほろっときた。みんな、表現方法は違うけれど、誰かに大事に思われてい生きているんだなと思うと、妙にほっとする。
読了日:04月13日 著者:山本 幸久
にょにょっ記にょにょっ記
もったいないから、ちょっとずつ読みたいのに、ついつい一気読み。くすくす笑いは、健在です。
読了日:04月10日 著者:穂村 弘
忙しい日でも、おなかは空く。忙しい日でも、おなかは空く。
食欲がむくむくと湧いてくるようなレシピの数々。にわかに、台所が恋しくなる。根菜類や、冬野菜の登場率が高いので、秋口に読むとよさそう。
読了日:04月08日 著者:平松 洋子
メモリークエストメモリークエスト
適度に後ろ向きなところに、妙な親近感を覚えつつ、あっという間に読了。異色の紀行本ながら、世界とつながったような感覚を味合わせてもらえる。
読了日:04月05日 著者:高野 秀行
カラスの親指 by rule of CROW’s thumbカラスの親指 by rule of CROW’s thumb
面白いけれど、後味が悪い作品を書く人というイメージだった作者に、見事に裏切られて爽快な気分。親指のエピソード、よかったなぁ。
読了日:04月02日 著者:道尾 秀介
銀漢の賦銀漢の賦
銀漢とは、天の川のことだそうだ。武士という縛りの中にあっても、懸命に生きようとあがく旧友たる二人の生き様は、初老という年齢を忘れさせる若々しさと強さがある。
読了日:04月01日 著者:葉室 麟

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2010年04月30日

3月の本読み(2010年)

3月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1556ページ

天山の巫女ソニン(3) 朱烏の星天山の巫女ソニン(3) 朱烏の星
冒険色は薄め。これで、三国それぞれの色が見えてきて、どこまでお話が広がるのかという楽しみができてきた。
読了日:03月20日 著者:菅野 雪虫
発明マニア発明マニア
分厚さを感じさせないおもしろさ。妹さんによるあとがきがすばらしかった。
読了日:03月20日 著者:米原 万里
巣立ち お鳥見女房巣立ち お鳥見女房
読了日:03月16日 著者:諸田 玲子
肩ごしの恋人 (集英社文庫)肩ごしの恋人 (集英社文庫)
読了日:03月11日 著者:唯川 恵
図書館の神様 (ちくま文庫)図書館の神様 (ちくま文庫)
読了日:03月01日 著者:瀬尾 まいこ

読書メーター
posted by あんく at 21:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ○月の本読み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月18日

『ラットレース』

ラットレース
ラットレース
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方波見 大志
ポプラ社
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 ここ半年くらい、すっかり読書から遠ざかっていました。というわけで、ライトノベルや、少年少女向けの本棚から読む本を選んで、ただいま読書リハビリ期間中。

 飼っていたインコのピヨ吉が死んでしまったと先輩の片里名から呼び出された中島。ピヨ吉の亡骸を見ていると、そこから半透明のなにかが浮かび上がってきた。それは、インコの姿とはかけ離れた、ジャージ姿の中年おやじだった……しかも、その姿は中島にしか見ることができない。このおやじはピヨ吉の魂なのか?オカルトに詳しい、中島のクラスメート岡部と、その友だち伊藤を交えた謎解きが始まる。

 いきなり、幽体離脱した魂の登場。しかも、それは半透明で、加齢臭もしそうな典型的なおやじ。しかもジャージ姿。もう、このじてんでこのお話がいったいどこに向かっていくのかまったく分からなくなりました。インコの魂がなにゆえおじさんなのか、なぜ彼は中島にしか見ることができないのか。岡部と伊藤、そして片里名、中島がともに見つけ、行き着く先はどこなのか。

  昨今のライトノベルやそれに類する作品はかなり読み応えがあって、内容もなかなかシビアなものが多いのですが、この『ラットレース』も、決しておもしろくて楽しいテーマとはいえません。
 ここに出てくる、岡部や伊藤は成績優秀ながら人との距離をうまくとれず、不思議なコンビとしてクラスでも少し浮いている存在として描かれているし、片里名もクラスの集団から少し離れて、クールな美人として名を馳せている。中島はその彼女の下僕的存在として認識されているという具合に、だれもが“普通の高校生”から微妙にずれている。彼らだからこそ、半透明のおやじとかかわることができるともいえるし、彼らこそがそれとかかわらなければならないものでるようにも思えてきます。
 人との距離のとりかたに、大人が思っている以上に複雑なものがあるし、必要以上に難しくしてしまっているところもあるのかなと思ってみたり。

 今どきの子どもたちは、つくづく生きにくい世の中であがいていることに思いを馳せつつも、そこからなにかを見いだして、もう一つ違う段階に上っていってほしいなと思うことしきりです。
posted by あんく at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 著者別 あ〜か | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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